2008年02月16日

適年(適格退職年金)移行・廃止、退職金制度変更、退職金制度の中の2つの顔 

Do it!
モチベーションアップのエバンジェリスト(伝道師)
ウリ坊です。
今日も燃やせハート、やる気フルスロットル!!


 退職制度の中の2つの顔とは

 退職金制度改革に取り組む際に、この退職金制度
をどう捉えるかが重要なポイントになります。
 まず、退職金制度は、「退職金規定」と「退職金
積立制度」の2つ顔を持っています。退職金規定は、
企業における退職金制度の内容を規定しているもの
であり、退職金積立制度とは、例えば適格退職年金
や厚生年金基金、中小企業退職金共済制度、預貯金
等(預貯金や保険等は制度としては存在していませ
んが、積立制度の一種)のことです。退職金制度の
中でそれぞれの役割をもって存在しているのです。
この役割と両者の関係を確実に把握し、制度の全体
像を捉えることが非常に重要なのです。

□ 退職金規定

 退職金規定(「適格退職年金」では「退職年金規定」
という)とは、会社と従業員との間における労働条件
を定めた「就業規則」の一部です。
つまりは、退職金規定は、会社と従業員との間で交わ
された労働契約の一部といえます。そしてそこには
退職金の支払方法や計算方法などの重要事項が規定
されるわけです。

 ご存知の通り労働基準法89条3号の2において、
常時10人以上の労働者(パート、アルバイトも含む)
を使用する使用者は「退職手当の定めをする場合にお
いては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
計算及び支払の方法、並びに退職手当の支払の時期に
関する事項」について就業規則を作成し労働基準監督
署長に届けなければならないと規定されています。
この規定を定める事によって会社は従業員に対して
将来の退職時に、この規定の内容に沿って退職金を
支払うことを約束し、その義務を負うことになるの
です。別の言い方をすれば、退職金規定の存在が将来
の「退職給付債務」を発生させているのです。注意し
なければならないのは、たとえ規定がなくても退職金
の支払が一定の支給基準によって慣例化していれば
支払義務が生じるということも留意しなければなりま
せん。

□ 退職金積立制度

 主な退職金積立制度(資金準備手段)には次の
ようなものがあります。

 税制適格退職年金制度        厚生年金基金

 中小企業退職金共済         特定退職金共済

 確定給付企業年金法による規約型、基金型、混合型

 確定拠出型年金法による企業型、個人型(日本版401k)

企業内退職金制度(保険商品、預貯金等)

 退職金積立制度がなぜ必要なのでしょう?

 簡単言うと退職給付債務の平準化です。退職金規定
によって従業員に退職金を支払うわけですが、退職金
の性格上、基本的に永続勤務者を対象としているため
金額も高額なものになります。常時、会社がその原資
を準備しておくことは難しいわけです。同時に複数の、
それも勤続年数の長い従業員ばかりが退職したとした
ら、退職金を現実問題支払うことができるでしょうか。
業績も常に安定しているわけではありません。努力し
ても赤字だったりすればどうなるでしょう。いくら
規定において従業員に退職金の支払を約束していても、
その原資がないということでは、どうしようにも手を
打つことができません。

 そこで、どういう状況下にあっても退職金の支払
を確実なものにするには、局所的に負担が集中しな
いように、普段から平準的に退職金の原資を積立、
しかも税制上の優遇措置も受けられるような制度や
手段が必要となります。これこそが退職金積立制度
なのです。適格退職年金や中退共などの制度は、
退職金規定によって生じる企業の退職給付債務を、
将来の退職時に清算するために存在する準備手段
なのです。したがって、どの退職金積立制度を採用
するかは、退職金規定に定められた内容により決ま
ってくるわけです。退職金規定の内容も決まってな
いのに、どの積立制度を選択すれば良いかという検討
は本末転倒であることがお分かりなると思います。

 現在の適格退職年金等の積立不足の原因が、現在
の低金利・運用難であることは事実ですが、この
退職金規定と退職金積立制度の関係をしっかり捉え
直すと積立不足が生じる根拠が退職金規定にあるこ
とがお分かりになるでしょう。
退職金規定によって生じた退職給付債務に対して、
退職金積立額が足りない状態が積立不足ということ
です。
したがって、適格退職年金の積立不足から逃れる為に
解約しても、退職金規定がそのまま存在すれば問題の
解決にはならないのです。退職金規定をそのままにし
て適格退職年金の移行先の選択に右往左往してもなん
にもならないことがお分かりになるでしょう。


posted by マイケル・J・ウリ坊(ウチヌノ) at 18:29 | 宮崎 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 適年移行(退職金制度改革)
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