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とあるメーカーの下請部品工場だったが、独自の技術を活かして
自社ブランド商品を手掛けるようになり、一流企業に成長した会社
がある。
そこの社長が実践していることを次に挙げてみた。
いずれもトップがなすべき仕事の本質を捉えており、企業規模や
業種にかかわらず参考になる点が多い。
1.『現場』をよく視る
現場とは社内や工場だけではなく、市場や顧客の動向も含む。
「外」から常に情報を収集し、技術・顧客動向の潜在的ニーズ
を一歩も二歩も先読みする。自社の技術が役に立てる新しい
業種・業態・企業はどこか、法改正など環境変化によって
自社の技術変化、進化すべき部分はどこか、などの視点に立っ
た情報収集をしている。
2.『危機感』を持つ
「今の仕事・技術・顧客は3〜5年後には廃れる」「現状の
市場・技術・顧客に固執すると、ライバルが現れて価格競争
は必至となり、市場の魅力が失われる」という強烈な危機感
を持っている。
3.『計数』を見抜く
トップは、会社の数字の変化を読み取ることが必要である。
現場の変化はすべて数字に表れる。そうした数字の変化を
読み取っている。
4.『社員』と戦う
社内改革を進める際、「なぜ順風な今の時期にするのか」
と反発する社員の意識、社内風土・体質との戦いを避け
て通らない。
5.『スピード決裁』をする
変えるべき方向性は、営業・製造・開発・財務などそれ
ぞれの責任者と話し合い、スピード決裁している。大き
な方向性が決まると、枝葉末節は現場に任せている。
6.『チェック』および『修正』をする
定期的に業務が決めた方向に進んでいるかどうか、悪循環
になっていないかどうかをチェックしている。仮に循環
系統に支障を来しているのであれば、それを修正すること
が大事である。
この社長は大変、進歩的な中長期戦略を有しているが、その本質的
な部分は上記のように極めて原則通りでシンプルである。この極めて
シンプルなことが疎かになっていないだろうか。企業のトップはあら
ためて見直していただきたい。
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