リーダーの育成に定評のある会社は、研修のみに頼っている
のではない。実際に仕事をしている場での経験と、その場での
上司らの薫陶を通じて、次世代のリーダーが育つ。
リーダーがリーダーを育成するという連鎖が世代間、組織団塊
層間でうまくつながっていくと、その組織には、リーダーシッ
プのパイプラインが生まれる。これは「リーダーシップ・カス
ケード」と読んでもいいだろう。滝(カスケード)が流れるよ
うに、リーダー育成の流れがつながっていくといくのである。
ここでいう薫陶とは、一歩先をいくリーダーが若手に与える
仕事上の機会やそこでの経験、目立たぬ支援や経験を通じての
価値観や持論の伝授・浸透の総称である。こうした経験と薫陶
を通じて、次世代リーダーが育成される。
リーダーシップの研修・研究機関の調査によると、リーダー
シップが発揮できるようになるうえで有益だった出来事の7割
が仕事上の経験、2割が実際にリーダーシップを発揮している
人(上司や顧客、取引先の経営者)を通じての薫陶で、研修や
セミナーが占めるウェートはせいぜい1割程度だった。
リーダーの育成に熱心な米国企業なら、どこでもこの「7、
2、1」という経験則を耳にする。
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