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労働白書:仕事の満足度低下、背景に非正規急増や成果主義
厚生労働省は22日、08年版の「労働経済の分析」(労働白書)を
公表した。労働者の仕事に対する満足感を初めて取り上げ、雇用の安定
や仕事のやりがいなどの面で満足度が低下していると指摘。背景として
非正規労働の急増や成果主義賃金の導入などを挙げ、「日本的雇用制度
への再評価が広がっている」と分析している。
白書は内閣府の「国民生活選好度調査」からデータを引き、「雇用の
安定」について「満足」と答えた人の割合が78年の33%から05年
には14.8%に減ったと指摘。同じく「仕事のやりがい」は
30.5%から16.6%に、「収入の増加」も23.7%から6.2%
に低下したことを示した。そのうえで「企業が仕事への意欲を高める
目的で導入した成果主義賃金制度が必ずしも成功していない。賃金制度
の運用改善に心がける必要がある」と提言している。
また、正社員の仕事がなく、パート以外の非正規で働いている人の割合
は01年の38%から06年には44%に上昇し、正社員に比べ相対的に
仕事への満足感が低いと強調。「正社員になれない就業者の不安や不満が
高まっている。非正規雇用はコスト削減には有効でも、職業能力を高めず、
労働生産性向上にはマイナス」と断じた。
そして、日本が国際競争力を失っていく過程で批判された長期雇用や
年功序列賃金制度などに言及、「再評価の動きがある」とした。