2008年08月27日

「名ばかり管理職」廃止、残業代定額で納得いかない

【管理・監督者に該当するか争われた主な判例】
 認められた事例 看護師の募集業務をする社員で看護師採用の決定、配置など労務管理をしていた(1987年、大阪地裁判決)
 経営企画室の社員でタイムカードで管理されていたが、労務管理上の指揮監督権を持ち経営者と一体的な立場にあった(1997年、東京地裁判決)
認められなかった事例
 年に数回、管理職会議に出席し一定の人事考課を行なっていたが、勤務時間が一般従業員と同様に管理されていた(2002年、東京地裁判決)
 飲食店マネージャーでアルバイトの採用権限はあったが、正社員の採用権限はなかった(2006年、東京地裁)

【ポイント】
 (1) 管理職手当については会社側に支払う義務はない

(2) 割増賃金の算定方法によっては、違法になる場合も

 ある飲食店で店長を任せれていたAさん。管理職手当の支給はあっ
たが、残業代の支給はない。ある日、会社から「管理職の扱いをやめ、
管理職手当をやめ、残業代を支給する」と言われた。ところが、残業
代は定額で合計の給料は従来通りである。
この場合どういった問題が考えられるだろうか?

 1月に東京地裁でマクドナルドに対する店長への残業代支払いを命
じる判決が出て以降、「名ばかり管理職」の給料を見直す動きが様々
な企業で出てきた。店長クラスの管理職扱いを変えないまま残業代を
支給したり、非管理職にし残業代を支払ったりと、企業の対応はまち
まちだ。ただ、業務内容や責任の重さは従前通りというケースがほと
んど。

 ここで問題なのは管理職手当を廃止し、従来ない残業代を支給する
が給料の総額は変わらない場合。管理職手当の穴埋めとして残業代を
定額で支給しても、実質的には手当の名前が変わっただけだ。ただ、
手当の支給については労働基準法では明確な定めはない。

 「企業は管理職手当を払う義務はない」、労基法は管理職なら残業
代を払わないでよいと規定する。ただ、管理職に就く者は判例などか
ら厳格な基準があり、「経営の意思決定に参画できる地位で、一般的
に部長クラス」に限られる。

 一般に飲食店の店長の多くは部長クラスではなく、残業代の支給対
象といえる。時間外労働は原則、時間給で25%増の割増賃金が払わ
れる必要があるが、時間給の計算方法が問題となることがある。

 管理職手当を除いた基礎給与部分のみを基準に残業代を算定するの
は、一方的な給与の不利益変更にあたるという見方もある。労働者の
権利問題に詳しい弁護士は「原則、手当分を含めて計算すべきだ。
支給されていた賃金は既得権として残業代を計算する上で無視できな
い」と指摘。給料が同額か減額になる場合は、計算方法に問題がある
場合があるという。

 会社側は時間単価を算定する際に「様々な視点からリーガルリスク
を考慮して報酬制度を策定する必要がある」。給料を巡る裁判で会社
側が敗訴した場合、懲罰的損害賠償の1つ「付加金」が科されるケース
があり、会社側は慎重な対応が必要だ。


posted by マイケル・J・ウリ坊(ウチヌノ) at 08:00 | 宮崎 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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