(ア)確定給付企業年金
制度の概要
確定給付企業年金制度は、確定給付企業年金法により平成14年
に創設された もので、厚生年金基金とともに確定給付型の企業年金
である。
確定給付企業年金は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等、社会
情勢が大 きく変化している中で、確定給付型の企業年金における受
給権保護等を図ることにより、国民の高齢期における所得の確保に
係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民
の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としている。
なお、確定給付企業年金には「規約型」及び「基金型」の2通りの
運営方式がある。
【規約型(企業が契約を結び、外部機関で年金資産を管理・運営) 】
【基金型基金型(基本的に厚生年金基金と同じ仕組みで代行を行わない制度)】
基金型と規約型の比較
出典:「企業年金に関する基礎資料」平成19年12月 企業年金連合会
移行の留意事項
● 制度設計における、適格退職年金にはない制約がある
加入3年以上で一時金、20年以上で年金受給資格を付与する必要有り
(定年時のみ給付するような制度は認められない)
● 労使合意の年金規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受ける
適格退職年金は、その契約が税法上適格か否かが問われたが、
確定給付企業年金は、規約が法に照らして適正かが問われる。
● 積立義務が課される
継続・非継続という二つの基準で毎年財政検証を行い、基準に抵触した
場合、積立義務に見合う掛金引上げが必要となる。
継続基準に抵触した場合 → 掛金を再計算して引き上げ
非継続基準に抵触した場合 → 掛金を追加拠出
※ 継続基準:長期計画に基づく検証
非継続基準:制度破たんに備えた検証
● 事業主や金融機関の行為準則、受託者責任、情報開示の義務づけ
● 制度終了時の基準も厳格
解散(解約)の場合、積立不足の解消、労使合意が義務づけられる。