給付決定の仕組み、利用者は1割負担が原則
介護保険の給付は、本人、家族等が市町村に申請し、判定を受け、
比較的軽度の「要支援」、中重度が中心の「要介護」に認定される
ことからスタートする。判定は全国共通の認定調査票に基づくコン
ピューターによる一次判定と主治医らの意見を加えた審査会による
二次判定からなり、要支援1、2、要介護1ー5の状態区分が決定
される。ただし、65歳未満の2号被保険者だけは、特定疾患によ
る障害に限定されている。ここまでの作業は損害保険でいえば
「事故が発生してるのか否か、被害の大きさはどの程度なのか」を
特定する作業にあたる。
次に、利用者がどのようなサービスを受けるかを決める。在宅で
サービスを受ける場合は地域の介護資源を熟知しているケアマネジ
ャーに本人、家族の要望を考慮したうえでケアプランを作成しても
らう。ケアマネジャーは要介護度別に設定されたサービスの支給限
度の月額(地方の場合で49,700円ー35万8,300円)に
あわせ、専門的な立場からメニューを固めていく。特別養護老人ホ
ームに入居する場合は1日あたりの報酬基準額が決まっており、
利用限度額を管理する必要はない。
利用者は原則、使ったサービスの1割を自己負担する。
支給限度額以上を利用すると超過分の全額が自己負担になる。
保険診療と自由診療を組み合せた混合診療が厳しく制限されている
医療保険と異なり、介護保険は保険の効く部分と保険外の混合利用
が認められている。
訪問介護や施設介護、通所介護(デイサービス)など、それぞれ
のサービスについて要介護度別に報酬単位が定められている。例え
ば有料老人ホームに入居する要介護1のケースだと、報酬単位は1
日あたり549。1単位は10円を基礎として、都市部などには
地域加算がある。事業者は国民健康保険団体連合会経由で、提供し
たサービスに応じて市町村に介護報酬を請求する。介護報酬はサー
ビスのメニューと価格表に相当し、事業者の行動や経営に重要な
大きい影響を与えている。