2008年09月27日

国民年金、保険料支払い 税で支援

国民年金、保険料支払い 税で支援
厚生労働省改革案 低所得者が対象

 厚生労働省は低年金対策を柱とする公的年金改革を検討する。
自営業者らが加入する国民年金の保険料(定額)を所得水準に
応じて軽減し、軽減分を国が税で補てんする案を新たに打ち出す。
公的年金を全額払えなくても、老後には基礎年金を満額受け取れ
るようにする。ただ保険料の未納は解消できず、自営業者の所得
捕捉といった課題も多い。

未納解消できず

 厚労省は2004年の年金改革で「100年安心」をうたって
いた。その後に発覚した記録漏れ問題などで制度への不安が強ま
る中で、ようやく新たな改革に乗り出す。

 年金の最低保障機能の強化を巡っては、大きく分けて
(1)基礎年金の財源を全額税で賄う税方式に転換する
(2)加入期間にかかわらず、給付時に税で加算して一定の「
最低年金」を支給するーの2案が出ていた。

 厚労省は第3の案もまとめ、29日に開く社会保障会議の年金
部会に3種類すべての案を提示する。第3の案は現行の社会保険
方式を維持しながらも、税方式に近い考え方を取り入れ、保険料
の支払を財政支援するのが特徴。厚労省はこの案を軸に検討を進
めるとみられる。

 国民年金の保険料を40年間完納すれば、満額の基礎年金(月
約6万6千円)を受け取れる。ただ保険料の支払期間が短いなど
の理由で、月2万ー4万円しかもらえない低年金者が約2割いる。
この低年金を防ぐため、複数の選択肢を示す。。

 保険料の支払期間に関係なく、最低年金を支給する案では、
保険料を払わない人が増える恐れがある。全額税方式は一律給付
を確保できるが、最も多くの税財源が必要といった課題がある。

 第3の案では加入期間に関係なく最低年金を支給する案よりも
、保険料を支払う意欲をそぐという弊害は少ない。少額でも保険
料を払い続けないと、満額の基礎年金を受け取れないからだ。

 現行制度でも低所得者には、国民年金保険料(今年度は月1万
4,410円)を25%から10%減まで4段階で顕現する「
免除制度」がある。だが年金額もその分減り、全額免除なら基礎
年金は国庫負担分(現行3分の1強)の給付だけ。40年加入で
も月2万円台の低年金になる。

 第3の案では仮に保険料を半額の約7千円に軽減すると、残り
を税で補い、保険料を全額払ったとみなす。この案でも保険料の
未納問題をなくすことはできない。所得の捕捉が難しいため、財
政支援をうけられる人とそうでない人の不公平感が広がる恐れも
ある。

 すでに低年金の単身高齢女性などへの給付に税で一定額を加算
することも検討課題だ。政府は来年度に基礎年金の国庫負担割合
を2分の1に引き上げる方針で、その税財源は2兆3千億円に上
る。

公的年金の最低保障機能とは? 公的年金が高齢期の生活を最低限保障する役割りを持っていること。
老後の所得は高齢者自身の勤労所得、財産所得、年金所得などの組み
合わせが基本だが、現実には公的年金が収入の柱になる。内閣府の調査
では国民の7割が公的年金を基本に老後の生活を設計している。ただ
全国民共通の基礎年金は満額でも生活保護基準額を下回るケースがある
ほか、月3万円未満も1割弱いる。
 
 政府の社会保障国民会議も6月にまとめた中間報告で、高齢期の所得
保障の重要性を訴えた。スウェーデンは所得比例年金に税で給付を上乗
せする「最低保障年金」を導入している。基礎年金の財源をいかに確保
するかが課題だ。

【引用:日経新聞】
タグ:国民年金
posted by マイケル・J・ウリ坊(ウチヌノ) at 10:02 | 宮崎 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 労働・社会保険ニュース
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