メンタルヘルス(精神面での健康状態)の不調で1ヶ月以上
休職している人がいる企業は6割以上で、3年前の前回調査よ
り約1割増。財団法人労務行政研究所(東京都港区)が4月、
上場企業など大企業250社を対象にまとめた調査結果だ。
人数は1社平均9.5人だった。
このうち大きな比率を占めるがうつ。休職になり経済的に困
窮する人も多い。
それでは、公的な支援についてみてみよう。
例えば重度のうつ病で、長期にわたり日常生活または社会生
活への制約が認められれば、「精神障害者保険福祉手帳」を取
得することができ、税金などが軽減される。国の制度だが、具
体的な実務は都道府県などが担当している。
障害の重さによって、1級、2級、3級に分かれ、例えば「
日常生活が不能」などの症状が重い1級の場合、所得税の課税
所得から一定額が控除される。また級には関係なく預貯金の利
息が非課税になるほか、相続税も優遇される。
手帳を取得したい場合、市区町村に医師の診断書などを提出
し、等級などの認定を受けるという手続きが必要だ。
公的年金でも支援制度がある。障害年金は手足や視聴覚の機
能の障害などだけが対象と思っている人が多いが、実はうつな
どの精神障害も、症状が重ければ対象になる。障害基礎年金の
場合、2級の認定を受けると年間80万円弱の給付を受けられ
る。障害年金の対象になりうることを知らず、申請しないまま
になっている重症の患者は多そうだ。時効は5年で、申請が遅
れれば本来給付される分が全額はもらえないこともありえる。
またうつ病に限らず、病気で休職すると、健康保険組合や協
会けんぽ、共済組合に加入していれば、健康保険から傷病手当
が支払われる。給料の3分の2に相当する額が出る。給付は最
長1年6ヶ月。
【引用:日経新聞】