2008年11月19日

懲戒処分・損害賠償

懲戒処分・損害賠償

1.懲戒事由及び懲戒の種類・内容は、就業規則に規定する必要があ
ります。
2.懲戒処分としての自宅待機以外は、休業手当の対象となります。
3.会社に損害を与えた場合、損害賠償を請求される可能性があります。

●懲戒処分

懲戒処分とは、使用者が会社内の秩序を乱した労働者に対して、一定の
不利益処分を課すことによって、会社秩序を維持することを目的とする
ものです。 懲戒処分を行うときは、次の要件が必要です。
イ 懲戒事由、懲戒の種類・内容が就業規則に規定されていること
ロ 懲戒規定の内容が合理的であること
ハ 懲戒処分にあたり平等性が保たれていること
ニ 懲戒処分が規律違反の種類・程度等に照らして相当であること  

●懲戒事由は
 
イ 勤務不良   ・2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促
         に応じないとき
         ・勤務不良(遅刻、早退)で数回にわたり注意しても
         改まらないとき

ロ 職務怠慢   不注意のため事故を起こし、職務に重大な支障を起こ
        させたとき

ハ 業務命令違反 正当な理由なく、重大な命令及び重要な規則に従わな
        いとき

ニ 不正行為   職務を利用して不正行為を行い、不当な利益を得た、
        または第三者に得させたとき

ホ 経歴詐称   採用の重要な要素となる経歴を詐称したとき

ヘ 名誉毀損   会社の社会的信用や名誉を毀損する行為があったとき

ト 秘密漏洩   業務上の重要な秘密を漏洩し、または漏洩しようとしたとき

チ 有罪判決   盗み、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があったとき

などの他に、二重就職や競業避止義務違反なども考えられます。

懲戒処分の種類・内容は

イ 戒  告    将来を戒める旨の申渡しをすること

ロ 譴  責    始末書を提出させて将来を戒めること
(けんせき) ※昇給・昇進・昇格や賞与において不利な査定を受けることが多い

ハ 減  給    労働者が受け取ることができる賃金から一定額を差し引くこと
※1回の減給額は平均賃金の1日分の1/2以下。減給総額は一支払期の賃金の1/10以下
(労働基準法第91条)

ニ 出勤停止・停職 労働契約をそのままとして就労を禁止すること
※出勤停止期間中は、賃金を受けられない(減給規定は適用されない)

ホ 昇級停止    次期の昇級を停止、減額すること

ヘ 降  格    役職、資格を下げること

ト 諭旨解雇    退職願や辞表の提出を勧告し、即時退職を求めこと

チ 懲戒解雇    即時解雇すること
※労働基準監督署の認定があると解雇予告手当の支給がない

●自宅待機

自宅待機とは、労働者の出勤を禁止する措置であり、使用者が労働者の労務
提供の受領を拒否することをいいます。懲戒処分としての自宅待機ではなく、
会社運営上、業務上の必要から命じられた自宅待機期間中については、休業
手当の支払いが必要となります。

●損害賠償の請求

使用者は、労働者が業務上のミスによって具体的に会社に損害を与えた場合、
就業規則に規定されている懲戒処分の他に、下記の事項を理由に損害賠償を
請求することがあります。

 イ.労働者が労働契約どおりの履行をしないとき、または労働者の責任で履行
 不能となったときは、使用者は労働者に対して、損害賠償を請求することがで
 きます。(民法第415条)

 ロ.労働者は故意・過失によって会社の権利や利益を犯し、損害を与えた場合、
 その損害を賠償しなければなりません。(民法第709条)

 ハ.使用者は、労働者が業務上、他人(第三者)に損害を与えた場合、他人
 (第三者)に対して賠償しなければなりません。
   使用者はその賠償について,労働者に対して請求(求償)することができ
     ます。(民法第715条)

 ただし、実際の損害発生の有無や損害額にかかわらず、一定の違約金を定めたり、
損害額を予め定めておくことは労働基準法(第16条)で禁止されています。また、
労働者の同意に基づかず、一方的に損害額と賃金を相殺することは、労働基準法
(第24条)の「賃金全額払い」の原則に反するためできません。

●損害賠償の範囲

労働者は、使用者のために、使用者の指揮命令によって業務を遂行し、その
過程で生じた損害のすべてを労働者の責任にすることは不均衡であるため、
使用者の労働者に対する損害賠償請求権及び求償権について、全責任ではな
く一部責任に制限するという考え方が定着しています。
ただし、労働者が故意や重大な過失で会社に損害を与えた場合は、使用者は
全ての損害について請求することができます。










posted by マイケル・J・ウリ坊(ウチヌノ) at 08:31 | 宮崎 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | 労働法
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