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安田さんのコラム「再現性と非再現性」です。
原文のままご紹介します。
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コンスタントに成果を出し続けるためには
同じ事を繰り返すことが出来る力、すなわち
再現力が必要である。
たとえば野球ならば、同じコースに来た同じ球種
のボールに対して同じスイングをすることによって、
ヒットを再現できる力。
料理の世界ならば、同じ材料を同じように調理して、
同じ味を再現できる力。このような再現力がなけ
れば、プロの世界では到底通用しない。
これはビジネスの世界においても同じである。
同じことを頼んでも一回一回結果が変わってしま
うようでは、安心して仕事を任せることは出来ない。
どのような世界においても再現力は仕事の基本な
のである。
では、再現力を高めるにはどうしたらいいのだろ
うか。
成功を繰り返すためには、成功した要因を整理する
ことが何よりも重要である。
にもかかわらず、たいていの人は成功の要因をあま
り考えない。
失敗したときには、何がいけなかったのかと誰しも
考えるものだが、成功したときには結果を喜ぶばか
りで、その要因まで考えようとはしないものなので
ある。
実は成功というのは、想像以上に繰り返すことが難
しい。
なぜならば成功にはいくつもの要素が絡み合ってい
るからだ。
失敗は点のようなもの。単純で分かりやすい。
同じ事をすれば、必ず同じ失敗に行き着く。
だが成功は面に似ている。
たくさんの点が絡み合っているために、すべてを再現す
ることが難しいのだ。
成功を繰り返すためには、そこに至るプロセスを忠実に
再現することが必要なのである。
そのためにはまず、料理で言うところのレシピを手に入
れなくてはならない。
どのような材料を、どういう順番で、どのように加工し
て行くのか。
正しいレシピさえあれば、料理をすることは難しいこと
ではない。
大抵の失敗は、レシピを無視して適当に分量を測ったり、
順番を入れ替えたりすることによって起こっているのだ。
ビジネスの世界でも、レシピに忠実に仕事をすることは
重要である。
だが、それだけでは生き残っていけないところが、ビジ
ネスの難しいところでもある。
再現性の高いビジネスモデルは効率がよく、商品やサービ
スの質も安定している。
安くて質の良い商品が安定して供給できるというわけだ。
だが、そこには大きな落とし穴がある。
それは、真似されやすいということだ。
ビジネスの世界には必ず競合他社が存在する。
再現性を高めれば高めるほど、他社も真似しやすくなると
いうわけだ。
短期間で誰もが同じ成果を出せるようなビジネスモデル。
それは一見、最強のビジネスモデルに見える。
だが残念ながら長続きはしない。
あっという間に他社が同じ事をしてくるからだ。
そう考えると、ビジネスには再現性と非再現性の両方が
必要ということになる。誰でも真似ができて
同じ成果が出せるレシピを持っていると同時に、
真似をすることが難しい、
すなわち再現性の低い要素をレシピに加えることである。
たとえば調理の技術。五年、十年という
経験を通してしか身に付かない技術が必要となれば、
簡単に真似をすることは出来ない。
結局、効率化だけでも非効率化だけでも、
ビジネスは成り立たないということなのである。